【前編】他は正常なのに、なぜBUNだけ高い?|健康診断の数値をどう読むか

血液検査

先日、テニス肘の治療で施術していたときのこと。

鍼を打ちながら
いろいろ世間話をしていたんですが
その流れでこんな話が出てきました。

「そういえば僕、健康診断でずっと気になってることがあって」

聞くと、こういうことでした。
毎年、健康診断を受けている。
ほとんどの数値は正常。

でも
BUNという項目だけが毎年ずっと高い。

医師に聞いても
「様子を見ておけば大丈夫でしょう」
と言われる。

他はどこも悪くない。
自覚症状もない。

それでも
毎年そこだけ引っかかるから
なんとなく気になっていると。

「これって、何なんでしょうね?」

治療のついでに
ぽろっと出てきた質問でした。

こういう“ついでの一言”って
その人の身体を知るヒントが隠れているんですよね。

なのでそのまま
もう少し詳しく聞いてみました。

今日は、そのときのお話。

健康診断の数値って
「高いから悪い」
「低いから不足している」

と見るだけでは
わからないことがたくさんあるんです。

BUNって、そもそも何?

BUNって
ざっくり言うと
タンパク質を代謝したあとに出てくる「ゴミ」のようなもの。

もちろん
「ゴミ=悪い」
という意味ではありません。

タンパク質を使えば
普通に出てくるものです。

僕たちが食べたタンパク質は
消化されてアミノ酸になり
筋肉や酵素、ホルモンなど、身体のさまざまな材料として使われます。

その一方で
余ったアミノ酸はそのまま身体の中に貯めておくことができません。

そこで、アミノ酸を分解した時に出る窒素を
肝臓が「尿素」という形に変えて
最終的には腎臓から尿として排泄します。

つまりBUNは
タンパク質をどう扱っているか
その結果の一部が見えている数値なんですね。

BUNは高い方がいい?低い方がいい?

このBUN
見る立場によって解釈がかなり違います。

一般的な健康診断では
BUNが高いと腎機能や脱水
高タンパク食などが検討されます。

一方で、栄養療法やオーソモレキュラーの世界では
「BUNが低い人はタンパク質不足かもしれない」
と見ることがあります。

特にオーソモレキュラーをメインにしているクリニックでは
「BUNは20くらいを目指しましょう」
と言われることも多いですよね。

たしかに
BUNがかなり低くて、食事量も少ない。
タンパク質もほとんど摂れていない。

そんな人であれば
タンパク質不足を考えるヒントになることはあります。

でも僕は
BUNという数字そのものを上げることを目標にはしていません。

さっきも言ったように
BUNっていうのは
タンパク質を代謝した結果として出てくるものだからです。

だから
高ければ高いほど栄養状態が良い
という数字でもない。

大切なのは
なぜ、その人の身体でその数値になっているのか。

そこが重要なんですね。

毎年、BUNだけが高い

では、冒頭の相談者さんの話に戻ります。

その方は、毎年BUNだけが高い。

でも
AST、ALT、γ-GTPなどには目立った異常はありません。

腎機能を示す他の項目にも
大きな問題は見当たらない。

本人も特に体調が悪いわけではありませんでした。

こうなると
検査表だけを眺めていても
なかなか答えが見えてきません。

なので僕は
一度、数字から離れて
普段の生活について聞いてみることにしました。

数字から離れて、生活を聞く

まず聞いたのは、食事のことです。

「普段、何を食べていますか?」

すると。。。

朝はプロテイン。
昼も夜も、かなり食事には気をつけている。
タンパク質もしっかり摂っている。

食事由来のタンパク質は足りてそうだったので
BUNが高いのも
オーソモレキュラーの考え方では辻褄が合っていそうでした。

ただ僕はそこで
「じゃあ問題なし」
とは思えなかったんです。

毎年、同じ項目だけが高い。

しかも本人も
その理由がずっとわからないまま
なんとなく気になっている。

だったら
もう少し生活の中を見てみてもいいんじゃないか。

そう思ったので
タンパク質をどれだけ摂っているかではなく
どうやって食べているかの方に意識を向けてみることにしたんです。

すると、本人から
「僕、かなり早食いなんです」
この一言が出てきました。

ここで
僕の中でひとつ仮説が立ちました。

BUNだけを見ていたときには分からなかったことが
普段の食べ方を聞いたことで
少しずつつながってきたんです。

検査表には、生活までは書いていない

健康診断の数値を見るとき
「高い」「低い」
だけで答えを出したくなります。

BUNが高いなら
腎臓?
タンパク質の摂りすぎ?

でも実際には
その人が何を食べているのか。
どう食べているのか。
食後にどんな感じがするのか。
胃腸の調子はどうなのか。

そういう情報を重ねていかないと
見えてこないことも多いです。

今回のケースもそうでした。

BUNという数字そのものより
問診の中に、次に見るべきヒントがあったんです。

では
「早食い」とBUNに、僕はどんな関係を考えたのか。

そしてなぜ
「タンパク質を減らしましょう」
ではなく

食べ方そのものを見直してもらおうと考えたのか。

次回は、その方に実際に何を聞いて
どんな仮説を立てて
何を変えてもらったのか。

その続きをお話しします。

ってことで、今回はこの辺で。
では、また。


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