前回
健康診断でBUNだけが毎年高い方の話をしました。
話している中で
「かなり早食いなんです」
という言葉が出てきたという話でしたね。
今日は、その続きです。
なぜ早食いが引っかかったのか。
そこから僕がどう考えて何を提案したのか。
お話ししていきます。
「摂っている」と「使えている」は違う
なので僕が次に考えたのは
「何を食べているか」ではなく
「食べたものを、ちゃんと消化できているのか?」
ということでした。
タンパク質は
食べた瞬間に身体の材料になるわけではありません。
胃や腸で細かく分解されて
アミノ酸などの形になって
ようやく吸収できるようになります。
つまり
「タンパク質を摂る」と
「タンパク質を身体で使う」の間には
消化・吸収という工程があるんです。
どれだけ良いものを食べても
ここがうまくいっていなければ
話は変わってきます。
そこで僕は
タンパク質の量ではなく
どうやって食べているのかの方に目を向けてみました。
早食いが、なぜ引っかかったのか
ここで、早食いです。
タンパク質を分解する最初の関門は胃。
胃酸と消化酵素がしっかり働いてこそ
タンパク質はほどけていきます。
でも、早食いをすると
この最初の関門がうまく機能しにくくなります。
よく噛まずに飲み込むと
胃に届く前の準備が足りない。
そして胃酸の分泌も
ゆっくり食べる人に比べて追いつきにくくなる。
つまり早食いの人は
タンパク質を分解する力がそもそも発揮しづらい食べ方をしている
とも言えるんです。
この人は
朝はプロテインを飲んでいました。
プロテインって手軽で良いんですが
液体だとつい一気に飲んでしまいがちです。
そこも、僕はちょっと気になりました。
使い切れなかったタンパク質は、どこへ行く?
じゃあ
胃でうまく分解されなかったタンパク質は
その後どうなるのか。
消化しきれないまま、腸の奥へと送られていきます。
そして
小さく分解されなかったタンパク質が大腸まで届くと
そこで腸内細菌によって腐敗が起こります。
この腐敗の過程で
アンモニアなどの窒素を含んだ物質が発生し
それが身体に取り込まれ
肝臓で処理されて最終的にBUNとして数値に表れてくる。
前回、BUNは「タンパク質のゴミ」だとお話ししましたが
BUNが高かったのは、たくさん食べていたからというより
使い切れずに腐らせて、ゴミを増やしていたからかもしれない。
もちろん、これはあくまで僕の仮説です。
BUNが上がる理由は他にもありますが
こう考えるのが一番この人に合っていると思いました。
だから「減らす」ではなく「変える」
ここまで来ると
アドバイスの方向が見えてきます。
もし
「BUNが高い=タンパク質の摂りすぎ」と単純に考えていたら
「タンパク質を減らしましょう」と言っていたかもしれません。
でも、その方はむしろ
タンパク質を身体に活かせていなかった。
だとしたら、減らすのは違います。
必要なのは
同じ量を、ちゃんと使える食べ方に変えることでした。
そこで、こんなことを提案しました。
まず、よく噛んで食べること。
当たり前のようですが
これが一番効きます。
噛むことで
胃の準備が整います。
次に、食事の前にレモンや梅干しなど
酸味のあるものを少し取り入れること。
酸味は、消化の準備を後押ししてくれます。
そして、プロテインは、一気に流し込まないこと。
何か食べてから飲む
ゆっくり飲む
可能なら少し噛むようにして飲む。
液体でも「ゆっくり」を意識するだけで
変わってきます。
どれも、特別なものを買い足す話ではありません。
今ある食事を
どう身体に届けるか
という話です。
とはいえ、習慣を変えるのは難しい
……と、いろいろ提案はしたものの。
正直に言うと
その方は最終的に
消化酵素のサプリメントの力も借りることになりました。
よく噛む、ゆっくり食べる。
言うのは簡単ですが
何十年も続けてきた食べ方の癖は
そう簡単には変わらないんですよね。
頭でわかっていても
気づけばいつものスピードに戻ってしまう。
僕は、それでいいと思っています。
食べ方を見直す努力を続けながら
うまくいかない部分は、消化酵素のような道具で補う。
両方をうまく使えばいいんです。
大事なのは、完璧にやることじゃなくて
「摂ったものを、ちゃんと身体に活かす」
という方向に、少しずつでも進むこと。
手段は、その人が続けられるもので構わないと思います。
数値の奥にある「その人」を見る
BUNが高い。
この一つの数字だけを見ていたら
「腎臓かな」「摂りすぎかな」「いや足りている証拠だ」
と、いくらでも解釈できてしまいます。
でも、その数字の奥には
必ず「その人の食べ方」や「その人の身体」がある。
毎年BUNだけが高くて、理由がわからず不安だった。
その正体が
実は「早食い」という、ごく身近な習慣にあるかもしれない。
健康診断の結果に
毎年気になる数字がある場合。
それは「異常」ではなく
身体からの「気をつけてね!」
というメッセージかもしれません。
その声を読み取れると、対策はぐっと具体的になります。
自分の身体を、数字越しに
少し丁寧に見てあげてください。
ってことで、今回はこの辺で。
では、また。
【心と身体研究所よりお知らせ】
「なんとなく不調」の本当の原因、一緒に探しませんか?
薬剤師×東洋医学×栄養学の視点で
身体の仕組みをわかりやすくお届けするメルマガ
【ココラボ栄養学】を配信しています。
・市販薬やサプリでは解決しなかった不調が気になる方
・自分の身体を、自分で理解したい方
・健康情報が多すぎて何が正しいかわからない方
読者限定で、よっぴーへの質問・相談も受け付けています。
≫≫メルマガ登録はこちら(無料)≪≪
【心と身体研究所のミッション】
ちょっとした不調なら自分自身で治せる
健康を医者に丸投げしない!
そんな人たちを増やし、お手伝いします。

