「尿酸」
と聞くと、どんなイメージがありますか?
たぶん、多くの人が「痛風」を思い浮かべると思います。
ビールを飲みすぎると上がる
プリン体が原因
足の親指が痛くなる
大体そういう”悪者”のイメージですよね。
だから健康診断で尿酸値が高いと
「うわ、下げなきゃ」と焦り
逆に低いと
まだまだ大丈夫!と安心すると思います。
でも、尿酸値って
本当に低ければ低いほどいいんでしょうか。
今日は、そんなお話です。
以前、尿酸値が低い人がいました
僕が精密栄養学を勉強し始めた頃
たくさんのデータが見たくて
知り合いに片っ端から
「血液検査を見せてください!」
とお願いしていた時期がありました。
その中に
「どこも悪くないと思うよ」と見せてくれた人がいて
数値をひと通り見ていくと、確かに、どこも悪くない。
ただ
尿酸値が低いのが気になったんですよね。
基準値の下限ぎりぎりくらいでした。
普通なら
「痛風の心配もないし、問題ないね」
と流してしまいそうなところです。
本人も、全然気にしていませんでした。
でも僕は気になったので
聞いてみたんです。
「最近、疲れやすかったりしません?」
すると
「そうなんだよ、最近繁忙期でさ、最近、なんだか身体が重いんだよ」
と言うんです。
数値の低さから、僕がなぜ「疲れ」を疑ったのか。
それは
尿酸には、あまり知られていない
もう一つの顔があるからなんです。
尿酸は、身体を守る「抗酸化物質」でもある
尿酸は、痛風の原因
という顔で有名です。
でも、実はもう一つ
「身体が自分で作れる、最強の抗酸化物質」
という顔を持っているんです。
抗酸化、というのは
身体の「サビ」を防ぐ働きのこと。
ビタミンCなんかが有名ですよね。
僕たちの身体は、生きているだけで
活性酸素という”サビのもと”が発生します。
これが増えすぎると
細胞が傷ついたり、老化が進んだり、疲れやすくなったりする。
その活性酸素から身体を守ってくれる代表選手が尿酸なんです。
悪者だと思っていたものが
実は身体を守る側
それも最強クラスの守り手でもある。
意外じゃないですか?
しかも
この活性酸素による酸化ダメージは
がんをはじめとしたいろいろな病気との関わりも指摘されていて
それらを抑えてくれる抗酸化物質の存在は
地味だけど、とても大事なんですね。
尿酸がしっかりあることで
僕たちは日々のサビから守られている
というわけです。
低すぎるのも考えもの
ここまで来ると、見えてきますよね。
尿酸が低いというのは裏を返せば
身体を守る抗酸化物質が、少ない状態
とも言えるわけです。
もちろん
低いこと自体がすぐ病気
という話ではありませんが
「低いから安心」
と単純に喜んでいいものでもない。
さっきの疲れやすい人も尿酸が低くて
身体を守る力が弱まっていた可能性があります。
尿酸値が低くなる原因は、いくつか考えられ
そもそも尿酸をうまく作れていなかったのか。
あるいは、敵(活性酸素)がたくさんいたせいで
尿酸をどんどん使って在庫切れを起こしていたのか。
作る側の問題なのか
使いすぎの問題なのか
どちらもありえます。
その背景には
極端な食事制限、タンパク質不足、肝臓での産生の問題など
いろいろな可能性があるんですよね。
「低い=良い」
で終わらせると
その奥にある身体からのサインを見逃してしまうんです。
もちろん、高すぎるのも問題です
念のため言っておくと
「じゃあ尿酸は高い方がいいのか」というと
そんな事はありません。
高すぎれば、やっぱり痛風のリスクは上がるので
尿酸って、高すぎず低すぎず
ちょうどいい幅の中にいてほしい、そういう物質なんです。
ちなみに尿酸値が高いと
まず「ビールの飲みすぎ?」「プリン体の摂りすぎ?」と言われますが
意外と見落とされているのが、果糖です。
甘いジュースや清涼飲料水に多く含まれる果糖
特に「ブドウ糖果糖液糖」のような異性化糖は
身体の中で尿酸を増やす方向に働きます。
「お酒は飲まないのに尿酸が高い」
という場合
こういう甘いものが背景にあるかもしれません。
それから
脱水や、激しい運動のあとにも、尿酸は一時的に上がります。
このあたりは
以前BUNの話でも触れた
「その日のコンディションで数値が動く」
というのと、同じです。
数値の「高い低い」より、その奥を見る
尿酸値の話をしてきましたが
結論としてはいつもと同じで
高いから悪い。
低いから安心。
そんなふうに、一つの数字だけで白黒つけない。
尿酸は、痛風の原因にもなるけれど
身体を守る最強の抗酸化物質でもある。
大事なのは
その数字が、なぜあなたの身体でその値になっているのか。
そこを読み解くこと。
健康診断で尿酸値を見たとき
「高い・低い」で一喜一憂する前に。
その奥にある自分の身体に
少しだけ目を向けてみてください。
結構、身体はいろんなことを、数字で教えてくれていますよ。
ってことで、今回はこの辺で。
では、また。
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