血液検査が正常なのに不調が出る理由|ミネラルを運ぶ遺伝子SLCの話

ココラジ

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「血液検査では鉄もマグネシウムも正常。なのに、なんだか調子が悪い」

そんな経験、ありませんか?

実はその原因、ミネラルが「細胞の中」に届いていないのかもしれません。今日は、夏バテの個人差と深く関わる「ミネラルと遺伝子」の話をしていきます。

ミネラルを運ぶ「トラック」=SLC遺伝子

まず前提として、夏に重要なのはミネラルです。ナトリウムだけでなく、マグネシウムやカリウムといったミネラルを、夏は積極的に補っていきましょう。

さて、ミネラルと遺伝子。一見関係なさそうですが、実はめちゃくちゃ関係しています。

鍵になるのがSLCという遺伝子。簡単に言うと、これは「トラック」です。

ミネラルは水に溶けるので、血液に溶けて各細胞へ届けられます。でも、ミネラルが実際に働く場所は細胞の中。いくら血液中にミネラルがたくさんあっても、細胞の中に入っていかなければ使えないんです。

その「血液中から細胞の中へミネラルを運ぶトラック」の役割をするのが、SLCなんですね。

「血液検査は正常」の落とし穴

僕が患者さんの相談を受けていると、こんなことがよくあります。

「鉄が足りないかもしれませんね」「マグネシウム不足があると思いますよ」とお伝えすると、後日血液検査をしてきて、「数値は正常でした。だから足りてないなんてことはないと思います」と。

でも、大切なのは血液中にミネラルがたくさんあることではなく、そのミネラルがちゃんと働いて、ホルモンやエネルギーを作れているかですよね。

もしあなたが、血液検査でマグネシウム・鉄・亜鉛といった重要なミネラルが足りているのに調子が悪いなら——血液中にはあるけれど、細胞の中に入っていない可能性があります。

特に注意すべきは「葉酸」と「ナトリウム」

SLCにはいろんな種類があります。ミネラルを運ぶものもあれば、葉酸やビタミンDを運ぶものもある。

中でも注意したいのが、葉酸とナトリウムのSLCです。

葉酸のSLCに問題があると、食べ物からとった葉酸を細胞に取り込めなくなることがあります。

ナトリウムのSLCは、ドーパミンやセロトニンの再吸収にも関わっているので、問題があるとメンタルの不調として出やすくなります。

「血液検査は正常なのに症状が出る」という場合、このSLC遺伝子に変異がないかを見てみると、問題解決の糸口になったりします。

数字より「体感」を見る

とはいえ、遺伝子を調べる機会はなかなかないですよね。

だからこそ、血液検査の数字だけで判断せず、体感はどうなのかを大事にしてほしいんです。数字ばかり見ないこと。

同じものを食べて同じ生活をしていても、不調が出る人と出ない人がいる。それは、こういう遺伝子の違いによることも多いんです。夏バテしやすい場合は、他の人より注意が必要な体だと思って、ミネラルを多めに摂ってあげてください。

【東洋医学】なぜ「冷たいもの」がダメなのか

先週、汗を出すときも止めるときも「気」が必要だという話をしました。

熱中症になると汗が止まることがありますが、あれはエネルギー不足で汗を出す力もない状態です。

一方で、大量に汗をかくのに元気な人もいますよね。汗は体温調節のためのもの、というのは東洋医学でも同じ考えです。体温を下げるために汗をかくわけですが、実は体温を下げる役割は、体の中の「血」や「水」といった液体成分にも備わっています。

水不足が招く悪循環

体の中では常に熱が生み出されています。この熱がありすぎると、頭に熱が上ってほてり・顔の赤み・思考力の低下などが起きる。それを防ぐために、水や血が体を冷やそうと頑張ります。

でも、この水や血が足りなければ、熱を下げられない。困った体は、汗として熱を外に出そうとします。

ところが、体の中の水が足りないのに汗として水を出してしまうと、さらに水不足になるという悪循環に。そのうち汗として出す水分すらなくなり、熱が急激に溜まって熱中症まっしぐら——ということになるわけです。

だから東洋医学でも、夏の対策はやっぱり「ちゃんと水分をとりましょう」なんですね。

冷たいものは胃腸を冷やす

ただ、ここでも注意が必要です。

暑いとつい冷たい水やアイスをとりがちですが、冷たいものを体に入れると胃腸が冷えます。体は胃腸が冷えることをとても嫌うので、胃腸を温めようとして余計に熱を作り、かえってほてりが強く出ることもあるんです。

暑い時期に冷たい飲み物を飲みたい気持ちはわかりますが、なるべく常温以上の温度で水分補給をしてほしいと思います。

まとめ:当たり前の積み重ねが夏バテを防ぐ

夏バテの個人差には、ミネラルを運ぶ遺伝子(SLC)が関わっている。そして対策としては、

・水分をちゃんととる
・ミネラル(特にマグネシウム・カリウム)を補給する
・気を生み出すために消化の良いものを食べる
・冷たいものをなるべく避ける

——結局、よく言われる当たり前のことばかりです。でも暑くなると、この当たり前が難しくなる。冷たいものをとり、食欲がないからと炭水化物ばかり食べ、不摂生をしてしまいがちです。

夏はまだ始まったばかり。本番に向けて体にはもっと熱が溜まっていきます。今のうちから、しっかり体を整えていきましょう。


▼前回の記事▼
そもそも夏バテとミネラルの関係については、前回詳しくお話ししています。
夏バテに塩だけでは治らない理由|本当に必要なのはミネラルとにがり

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