痩せているのに、脂肪肝?|脂肪肝の犯人は「脂」じゃなかった

血液検査

炎症の火種を見てきたシリーズ。

前回は
内臓脂肪が炎症の現場になる
という話をしました。

今日は
その脂肪が肝臓に溜まる「脂肪肝」のお話です。

でも、よくある
「お酒の飲みすぎ」「太りすぎ」
の脂肪肝の話じゃありません。

ある、ちょっと意外な患者さんの話から始めます。

華奢な女の子が、脂肪肝?

30代の女性の事例。
見た目は、痩せ型。むしろ華奢なくらい。
お酒もほとんど飲まない。

その人が
定期検診のエコー(お腹の超音波)で
脂肪肝だと言われたそうです。

本人は、きょとんとしていました。

それはそうですよね。

「脂肪肝」って、お腹の出た中年男性が、ビールを片手に。。。
みたいなイメージじゃないですか。

痩せていて、お酒もほとんど飲まない若い女性。

どう考えても、そのイメージと結びつかない。

「なんで脂肪肝なんでしょう?」

と、本人も自覚がなさすぎて危機感もまったくありませんでした。

血液検査を見てみると

肝臓の状態を見る数字に
ALTとASTというものがあります。

肝臓の細胞がダメージを受けると
血液中に漏れ出してくる数字なんですが

この人は、ALTがしっかり高くなっていました。

確かに、脂肪肝の可能性は高そうです。

でも、面白いのはここからで
普通、脂肪肝というと、お酒をイメージしますが
お酒を飲むと上がってくるγ-GTPという数字は低かったんです。

つまり
脂肪肝はお酒のせいじゃない
本人もお酒は少ししか飲まないって言ってますからね。

この少しが人によって違うし
(僕の薬剤師仲間にも少しが大量の人がいます笑)

その少しが身体にとって負担となる人もいるので
身体の声と照らし合わせる事が大事です。

「脂のせい」だと思いますよね

また、多くの場合
脂肪肝ってことは、脂っこいものの食べすぎかな?
と、考えがちですが

この人の数値を見てみると
コレステロール(LDLも、総コレステロールも)は
低かったんです。

脂っこいものが犯人なら
コレステロール系の数字も高くなりそうなのにむしろ低い。

脂肪肝=脂のせい、という思い込みは今日なくして欲しい事です。
じゃあ、犯人は誰なんでしょうか?

真犯人は。。。

ほかの数字も見てみると
中性脂肪が高め、HDLは低め
そして血糖値も高めでした。

そこで
食事を詳しく聞いてみると
見事に糖質中心でした。

朝はパン、昼は麺やおにぎり、甘いものもよく食べる。
脂っこいものは、むしろ控えていたくらい。

実は、肝臓って
余った糖を「脂肪」に作り変える工場でもあるんです。

糖質をたくさん摂って使いきれずに余ると
肝臓がそれをせっせと脂肪に変えて溜め込んでいく。

脂っこいものを食べていなくても
糖が多ければ、肝臓の中で脂肪は増えるんですね。

食べた脂が脂肪に変わるなんて糖質に比べたらものすごく小さいんです。

脂肪肝の原因ってほとんどの場合
脂じゃなくて、糖質なんですよね。

食事を変えたら、全部動いた

原因が見えれば
やることはシンプルです。

脂は控えるのではなくもう少し積極的に食べてもらい
糖質に偏った食事を見直してもらう。

そうしたら
ALTも、中性脂肪も、血糖も
全体がするすると良くなっていきました。

若いって素晴らしいですね笑

本人に危機感が全くなかったので
このままいけば慢性炎症によって
いろんな病気が数年後に出ていたかもしれません。

じゃあ、自分はどうやって見ればいい?

この女の子は
たまたまエコーで脂肪肝が見つかりました。

でも、エコーなんて毎年受けないと思います。

なので
ぜひ血液検査で見てほしいのが
『ALTとAST』です。

ここが基準値より高めだったら
肝臓に何か負担がかかっているサイン。

30台になっていたらもうほぼほぼ確定黒です!

けど、30台に乗っているような場合は
おそらくお腹もポッコリしてるでしょうから
わかりやすいと思います。

気になるのは隠れ脂肪肝ですよね。

隠れ脂肪肝を見抜くポイントは
ASTよりもALTの方が高くなっている事です。

こういう場合は
中性脂肪の数値や、毎日の食生活を思い返して見て
隠れ脂肪肝の可能性を考えて見てください。

早めの対処をしていくと
今後の病気を防げると思いますよ。

ってことで、今回はこの辺で。
では、また。

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