血糖が、なぜ炎症の火種になるのか|甘いものと「サビ」と「コゲ」の話

病気のあれこれ

それでは炎症の火種を
一つずつ見て行きましょう。

今日は「血糖」です。

ただ、先に言っておくと
血糖の話って、興味がない人、けっこう多いんですよね。

僕が口うるさく
「血糖値が安定する食生活にしていきましょう!」
と言っても

「糖尿病じゃないし」「健康診断も正常だし」と
自分には関係ない話だと思われがちです。

でも、血糖の乱れは、いろんな病気の
そして炎症の、かなり大きな火種なんです。

今日は「なんで血糖が、炎症につながるの?」という
その仕組みの話をしていきます。

これがわかると
血糖への見方が、たぶん変わりますよ。

血糖が高いと、身体が「コゲ」る

まず一つ目。

血液中の糖が多い状態が続くと、何が起きるかというと

糖分って、心当たりがあると思いますが
ベタベタとくっつくイメージわかりますか?

これは体の中でも同じで
身体のあちこちのタンパク質に
ベタベタとくっついていくんです。

これを「糖化」といいます。

糖とタンパク質がくっついて
変性してしまう。

イメージとしては
身体がちょっとずつ「コゲ」ていく感じです。

ホットケーキを焼くと
こんがり茶色くなりますよね。

あれも、糖とタンパク質が熱でくっつく反応です。

あれと似たことが
身体の中でゆっくり起きているんです。

実はこの「糖化」
あなたもよく知っている数値に関係しています。

それが
HbA1c。

これ、何を見ているかというと
赤血球のなかのヘモグロビンという”タンパク質”に
糖がどれくらいくっついているか。

つまり
「ヘモグロビンの糖化」の割合を見ているんですね。

HbA1cが高いというのは
血糖が高くて、ヘモグロビンがコゲているということ。

そして
コゲるのはヘモグロビンだけじゃありません。

血糖が高ければ
血管も、肌も、いろんなところのタンパク質が
同じように糖化していきます。

糖化した細胞は、本来の働きができません。

ということは
糖化した細胞って体にとっては異物となります。

免疫細胞が
「こいつは外に出さないとダメだ!」
と働き悪者を駆除する。

もちろんそこには
炎症が起こってきますよね。

血糖が高いと、身体が「サビ」る

二つ目。

血糖が高い状態は
身体の「サビ」も進めます。

前回、尿酸の話をしたとき
「活性酸素というサビのもと」の話をしました。

覚えてますか?

血糖が高いと
この活性酸素が増えやすくなります。

つまり
体の中の酸化ストレスが増える
という状態です。

サビが増えると、細胞が傷つき
免疫が働いて、その傷ついた細胞を直そうとする。

つまり、ここでも
炎症が起こってくるということです。

さっきの
「コゲ(糖化)」と、「サビ(酸化)」。

血糖が高いと、この二つが同時に進むんです。

コゲて、サビる。

字面だけでもう
あんまり身体に良くなさそうですよね(笑)。

この二つが
血糖が炎症の火種になる
大きな理由なんです。

でも、血糖を上げるのが悪いわけじゃない

ここで一つ、大事なこと。

「じゃあ血糖を上げちゃダメなのか」
というと

そうじゃありません。

糖は、身体にとって大切なエネルギー源です。

食べれば血糖が上がるのは
当たり前の反応。

上がった血糖は
インスリンというホルモンが出て
ちゃんと元に戻してくれます。

問題なのは、血糖が上がること自体じゃない。

必要以上に高く跳ね上がったり
その乱高下が毎日何度も繰り返されたりすることです。

一回ホットケーキを焼いても
フライパンはなんともない。

でも、毎日毎日こがし続けたら
だんだん焦げつきがこびりついてきますよね。

身体のなかでも
似たようなことが起きるわけです。

だから
甘いものを食べることに
神経質になりすぎなくていい。

見るべきは
「しょっちゅう、大きく、血糖を乱していないか」
なんです。

一番の火種が、一番気づかれにくい

やっかいなのは
この血糖の乱れが自覚しにくいことです。

糖化も、酸化も
一回で身体を壊すわけじゃありません。

小さなコゲ、小さなサビが
何年もかけて、じわじわ積み重なっていく。

まさに、このシリーズで言ってきた
「くすぶり続ける火種」
そのものなんです。

しかも、血糖の乱れは
病気になるずっと手前から始まっています。

健康診断で「血糖は正常」
と言われている人のなかにも
火種を抱えている人はたくさんいます。

「糖尿病じゃないから関係ない」ではなくて。

まだ病気になっていない今だからこそ
小さな火種のうちに気づいておきたいんですよね。


さて、ここまで読んで、こう思いませんか。
「じゃあ、自分の血糖は乱れてるの? 乱れてないの?」

ここが、実は一番の問題なんです。

血糖の乱れは
健康診断の空腹時血糖やHbA1cだけでは
見つけにくい。

でも、それを覗くための
あまり知られていない数値があるんです。

次回は
その「健康診断では測らない、でも大事な血糖の数値」の話をしていきますね。

ってことで、今回はこの辺で。
では、また。

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