前回
「炎症は悪者じゃない」というお話をしました。
問題なのは炎症そのものじゃなくて
小さな火がずっとくすぶり続けることでしたよね。
じゃあ
その火種は一体どこにあるのか。
今日はその一つ
「腸」についてお話ししていきます。
食べたものは、まだ身体の中に入っていない
昨日食べたものを
ちょっと思い出してみてください。
ご飯を食べて
お茶を飲んで
サプリを飲んだ人もいるかもしれません。
口から入れたんだから
もう「身体の中に入った」と思いますが
実はこれ
まだ身体の外なんです。
口から入った食べ物は
食道を通って胃へ。
そこから小腸、大腸へと進んでいきます。
この消化管の中は
身体の中を通ってはいるけれど
入り口(口)と出口(肛門)で、外の世界とつながっています。
ちくわを想像すると、わかりやすいかもしれません。
ちくわの穴の中って
ちくわ本体じゃないですよね。
穴は、あくまで外。
僕たちの消化管も
イメージとしてはこれに近いんです。
つまり、食べ物は口から入っても
まだ「ちくわの穴」を通っているだけ。
本当の意味では
まだ身体の中に入っていないって事なんです。
腸は「門番」でもある
では、食べたものは
”いつ”本当に身体の中に入るのか。
その大事な場所が、腸です。
食べたものを細かく分解して
必要な栄養素を腸の壁から吸収する。
そこで初めて
血液に乗って身体の内側へ入っていきます。
でも、腸の中にあるものを
何でもかんでも身体の中に入れると困ります。
腸の中には、食べ物だけじゃなくて
ものすごい数の細菌や、その細菌が出したものなど
身体の内側には入れたくないものもたくさんあるんですよね。
だから腸は
栄養を吸収する場所であると同時に
「何を通して、何を通さないか」を選ぶ
門番のような役割も持っているんです。
腸には免疫がたくさん集まっている
そう考えると
「免疫の7割が腸にいる」という理由もわかると思います。
腸は毎日
食べ物や細菌みたいな”外から来たもの”と
大量に接している場所です。
身体からすると
いちばん警戒しておきたい最前線なんですよね。
だから腸では
「これは大丈夫」「これは危ない」と判断しながら
必要以上に反応しないようにしつつ
危険なものにはちゃんと反応する。
そんな絶妙なやり取りが
24時間ずっと行われているんです。
もし、この門番がうまく働かなくなったら
では
この腸のバリアが
うまく働かなくなったらどうなるのか。
本来なら腸の中にいてほしいものが
身体の内側へ入り込みやすくなります。
すると免疫からすれば
「入ってきちゃいけないものが来たぞ」となる。
当然、身体は反応します。
ここで出てくるのが、炎症。
例えば
腸内細菌の一部が持っている「LPS」という成分。
これは免疫にとって
かなりわかりやすい”危険信号”のひとつ。
腸の中にあるだけなら問題ないんですが
腸のバリアが乱れて
これが身体の内側へ入ってくると
免疫を刺激して
炎症の火種になっていくんです。
これが「リーキーガット」の話です
このブログの読者であれば
「リーキーガット」という言葉は知っていると思います。
直訳すると「漏れる腸」。
腸のバリアがゆるんで
通すべきでないものが漏れやすくなっている状態を指して使われます。
現代人に多くなってきている状態ですね。
腸というと
便秘、下痢、お腹が張る。
そういう「お腹の症状」を想像しますが
腸は、そもそも外の世界と身体の内側を分けている大きな境界線。
しかも
そのすぐ近くに免疫が待ち構えている。
そう考えると
腸が乱れたときに出てくるサインは
お腹だけとは限らず
なんとなくだるい。
肌の調子が悪い。
疲れが抜けない。
そういう”お腹と関係なさそうな不調”の火種が
実は腸でくすぶっていた
ということもあるんです。
「善玉菌を増やす」だけじゃ足りない
「腸活」というと
ヨーグルトを食べる
発酵食品を摂る
乳酸菌を摂る
という話になりがちです。
もちろん
それが合う人もいます。
でも、今日お話ししてきた様に
腸を見るときに
「善玉菌を増やせばいい」
だけでは
ちょっと足りないのがわかると思います。
食べたものを、ちゃんと消化できているのか。
腸内細菌は、どんなバランスなのか。
腸の粘膜(バリア)は、ちゃんと保たれているのか。
そして
免疫が必要以上に刺激され続けていないか。
こういうものを
まとめて見ていく必要があるんですよね。
身体の内と外を分ける大きな境界線として腸を見る。
そう考えると腸を見る意味が
ちょっと変わってくると思います。
次回は、自分の身体をどうやって知っていけばいいのか
というお話しをしていきますね!
ってことで、今回はこの辺で。
では、また。
