前回は
『逆流性食道炎の原因は、実は“胃酸が少ないこと”かもしれない』
というお話をしました。
まだ読んでないよ!
という場合は
こちらの記事から先にお読みください!
『胃酸が多いから逆流するんじゃないの?』
『なんで少ないと逆流性食道炎になるの?』
という疑問が出てきますよね。
今回は、そのカギを握る『小腸』のお話です。
小腸ってどんな場所?
小腸は、胃の次に食べ物が通る消化器官で
主に栄養を『吸収』する場所です。
ビタミン、ミネラル、糖、アミノ酸、脂肪酸。。。
体に必要な栄養素は
ほとんど小腸から吸収されていきます。
だからこそ小腸の状態が悪くなると
体全体に不調が出やすくなるんですね。
ただし
小腸にはひとつ“苦手なもの”があります。
それが『酸』
小腸は強い酸(胃酸)に非常に弱い構造になっています。
もし、胃酸がたっぷり含まれた食べ物が
いきなり小腸に流れ込んでしまったら
→ 壁が荒れて炎症を起こす
→ 潰瘍ができる
→ 下痢や腹痛が起きる
というようなトラブルがすぐ起きてしまいます。
胃の出口は『小腸』が開けている
ここで面白いのが
『胃から小腸へ食べ物を送るかどうか』
を決めているのは小腸側だということ。
胃の出口(幽門)は
小腸の最初の部分『十二指腸』の状態を見ながら開く仕組みになっています。
小腸が
『ちゃんと中和できる準備が整ったぞ!』
と判断した時に初めて胃の出口が開いて
食べ物が送られていきます。
つまり
小腸が『まだ胃酸が強すぎて無理!』と思っているときは
胃の出口が閉じたままになるんです。
出口が開かないと…?
では、胃酸が少ない人はどうなるのか?
胃酸が少ないと、食べ物の酸性度が足りないので
小腸側が逆に
『お?いけるんじゃない?』
と勘違いして出口を開いてしまうことがあります。
でも
消化がまだ不十分なので腸は大混乱。
しかも
胃の中の内容物がうまく流れていかないと
胃の中に溜まってきます。
すると
胃がパンパンに膨らみ逆流しやすくなる。
結果として
・少ない胃酸でも食道に逆流
・食道の粘膜はとても弱いので、少しの酸でも傷つく
というような流れで
『胃酸が少ないのに逆流性食道炎』
ということが起きてしまうのです。
食道は『酸』に弱すぎる!
ちなみに
胃は『胃酸に耐える粘膜』
を持っている特殊な器官です。
でも、食道は違います。
食道には
胃のような耐酸構造はありません。
そのため、少し胃酸が逆流するだけでも
・ヒリヒリと胸やけ
・咳が止まらない
・喉の違和感、声枯れ
など、いろんな症状が出やすくなるんですね。
つまり
『胃酸が多すぎる』
と思われている症状の多くが
実は『出なさすぎ』が原因であることが少なくないということ。
・胃酸が少ない
・胃でうまく消化できない
・小腸へ未消化のまま送られる
・腸が混乱して炎症や不調が起きる
・胃の中に溜まり、逆流を引き起こす
こんな悪循環になってしまっている人がとても多いです。
じゃあ、どうする?
『じゃあ、どうすれば胃がちゃんと働いてくれるの?』
ここが一番大事なポイントです。
胃の働きを取り戻すには
・よく噛む(唾液と胃は連動しています)
・温かい食べ物を選ぶ(冷えは胃の動きを止めます)
・食べすぎない(満腹は胃に負担をかけます)
・食事中の水分を減らす(胃酸が薄まります)
などなど、ちょっとした日常の意識で胃の調子はかなり変わります。
『胃が悪いから胃薬』
という考えは一見正しそうで
実は落とし穴。
・胃酸は悪者ではない
・胃が働くには「酸」が必要
・胃と小腸は連携して動いている
こうしたことを理解していくと
単なる症状の抑え込みではなく
本質的な“体の立て直し”ができるようになります。
胃を元気にすることは、腸を守ること。
そして、腸が元気なら、体全体が元気になります。
あなたの胃は、ちゃんと働いていますか?
まずはそこから、見直してみましょう。
ってことで、今回はこの辺で
では、また!
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