銅不足でヒスタミンが分解できない?

アレルギー

最近、ドーパミンやノルアドレナリンの話をしながら
「銅不足が関係しているかもしれません」と何度かお伝えしてきました。

今回のテーマは、もう一歩踏み込んで
「ヒスタミン代謝」と「銅」の関係についてお話ししていこうと思います。

嫌われ者のヒスタミン

ヒスタミンといえば
「アレルギーの原因物質」
としてよく知られていますよね。

実際、鼻水やくしゃみ、湿疹などの原因になったり
片頭痛やめまい、動悸などを引き起こすこともあります。

でも実はヒスタミンって
体内でもちゃんと必要な働きをしている物質なんです。
・胃酸の分泌を促したり
・免疫細胞を動かしたり
・神経伝達をサポートしたり

つまり「悪者」ではなく
やっぱりバランスが大事な物質なんですね。

なので
体内で増えすぎたり
分解が追いつかなくなると不調の原因になるわけです。

ヒスタミンはどうやって分解される?

ちょっと専門的な話になりますが
ヒスタミンの代謝には、大きく分けて2つの酵素があります。

① DAO(ジアミンオキシダーゼ)

→ 食事で摂ったヒスタミンを主に腸で分解する
→ 銅が必要な酵素です

② HNMT(ヒスタミン-N-メチルトランスフェラーゼ)

→ 体内で産生されたヒスタミンを肝臓や脳で代謝する
→ こちらは栄養素としてはメチル基(葉酸、B12など)が関与

DAOが働かないとどうなる?

DAOの働きが低下すると
食べ物から摂ったヒスタミンが体内に残りやすくなります。

その結果

・食後に頭がボーっとする
・ワインやチーズで顔が赤くなる
・湿疹や鼻水が出やすい
・生理前になると不調が強くなる

と言った症状が起こることもあります。

これらは
「ヒスタミン不耐性(Histamine Intolerance)」
って呼ばれたりもします。

DAOの材料

ここで本題。

DAOという酵素は
『銅』がないと働けません。

つまり
銅が不足しているとDAOの働きが落ち
ヒスタミンが代謝されにくくなってしまうんです。

でも実は。。。

銅が不足してる人って少なかったりするんですよね。

今まで『銅不足が原因かも』とお話してきましたが
実は、健康な日本人で銅不足の人ってかなり稀です。

というのも
・豆乳や大豆製品には銅が含まれていて、日本人は日常的に摂取しやすい
・サプリやエクエル(大豆イソフラボン)を飲んでいる人も多い
・ピルの服用やホルモン療法でも、銅の保持量が高くなりやすい

つまり、むしろ銅が多すぎて、亜鉛が少ないというパターンの方が多いんです。

じゃあなんで「銅不足」の話をするんだ?

最近はあえて「銅不足」の話を中心にしてきました。

なぜなら、体調不良がある人は
見た目の血液検査の結果とは違う代謝のトラブルを抱えていることが多いからです。

たとえば
血液中に銅はあっても、それをちゃんと使えていなかったり
炎症によって銅が肝臓に取り込まれすぎていたり。

なので

『血液検査では銅があるように見えるけど、実質的には足りていない』

というケースも存在するんです。

銅だけじゃなく、亜鉛とのバランスが鍵

ヒスタミン代謝や神経のバランスを見るには
銅だけでなく「亜鉛」とのバランスがとても重要です。

・銅が多すぎて亜鉛が少ない
→DAOは働かないし、他の代謝も停滞

・亜鉛がしっかりあって、銅も適量
→DAOが正常に働いてヒスタミンも処理できる

僕が患者さんにお伝えしている理想は
「銅:亜鉛=1:1」です。

あなたの血液検査はどうでしょうか?


・ヒスタミンが分解できずに不調が続いている場合
・食後に不調がある、ワインやチーズが苦手、肌が荒れやすい場合

そんなときは
DAOの働きと、銅の代謝に注目してみてください。

でも、ただ銅を足せばいいわけじゃない。

「本当に足りていないのか?」
「代謝に使われているのか?」

そんな視点で血液データを見直すのがとても大切です。

次回は
銅が多くなる現代人が陥りがちな
亜鉛不足についてお話ししていきますね。

では、また!


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