自分の体内時計が今どこにあるか、知る方法

心の病気

前回は
昼と夜の光が健康に関わっているかもしれない
という研究の話をしました。

「夜は暗く、昼は明るく」
リズムを整えることが大事
という話でしたね。

でも、ここで一つ疑問がわいてきます。

そもそも
自分の体内時計が今どこを指しているのか。

それがわからないと
整えようにも
どこを基準にすればいいのかわかりません。

今日は
その「自分の時計の位置」
を大まかに知る方法についてお話しします。

体内時計の基準になる「谷」

体内時計の位置を知るうえで
一つの基準になるのが
深部体温がもっとも下がる時刻です。

私たちの体温は
一日の中で変動しています。

日中は高く
夜になると下がっていって
眠っている間にいちばん低くなる。

そして明け方に向けて
また上がっていきます。

このいちばん体温が下がるタイミング
いわば体内時計の「谷」が
身体のリズムの基準点になります。

自分の谷がどこにあるかを知っておくと
いくつかいいことがあります。

光を浴びるタイミングの目安


谷を過ぎたあとの朝の光は
時計を整えてくれます。

逆に谷より前
つまり、本来眠っているはずの深夜に浴びる光は
時計を後ろにずらしてしまう。

夜中まで煌々と明かりをつけていたり
スマホの画面を見ていたりすると

身体が「まだ活動時間だ」と勘違いして
どんどん夜型にずれていくんですね。

自分の谷がだいたいわかれば
「朝はしっかり光を浴びる、夜中はできるだけ暗くする」

という
前回の話を自分の生活に落とし込めるんです。

眠れない・眠りが浅い・体調が不安定の原因に気づける

たとえば
谷がやたら後ろにずれていると

身体はまだ「夜中」だと思っているのに
無理やり早く寝ようとしている

だから寝つけない
というのが見えてきます。

「寝ようとしても眠れない」
のは、意志の問題じゃなくて
時計の位置がずれているだけかもしれない。

また
「なんか最近調子が悪いな」というモヤモヤに
「あ、谷が後ろにずれてるな。生活リズムが乱れてるのかも」

と、理由の見当をつけられる。

原因がわかれば、対策も打てますよね。

なんとなく不調、なんとなく眠れない
その「なんとなく」に
一つ手がかりを持てるということなんです。

でも、体温の谷は測りにくい

じゃあその谷を測ればいい
という話なんですが

これが、日常ではなかなか難しいんです。

深部体温を正確に測るには専用の機器が必要ですし
研究レベルの方法は
とても家庭で気軽にできるものではありません。

そこで
もう少し手軽な「手がかり」として使えると言われているのが
睡眠中の心拍数です。

心拍数を手がかりにする

睡眠中の心拍数は

眠りに入ると下がっていって
ある時点でいちばん低くなり
そこから明け方に向けて上がっていきます。

最近のスマートウォッチやスマートリングを使っている場合
「最低心拍数」という数字を見たことがあるかもしれません。

この最低心拍数を記録した時刻が
体内時計の谷とだいたい近い位置にあると言われています。

厳密に「最低心拍の時刻=体温の谷」
というわけではないので
あくまで目安なんですが

特別な検査をしなくても
自分の身体のリズムを推測する手がかりになる
というのは面白いですよね。

ちなみに
見るべきは心拍数の「数字」ではなく
「時刻」の方です。

数字そのものは
体調やその日の疲れ、お酒などで
簡単に変わってしまいます。

でも「いちばん低くなった時刻」は
体内時計の位置を推測する手がかりになるんです。

機械がなくても、大まかにわかる

「そんなデバイス持ってないよ」
という場合も大丈夫です。

そんな場合は、次の方法を試して見てください。
大まかにですが、わかる方法方法があります。

目覚ましをかけない日の
自然に起きる時刻から2〜3時間を引くんです。

睡眠時間が短めなら2時間、長めなら3時間くらいが目安。

たとえば
夜11時に寝て朝7時に自然に起きるなら
7時から3時間引いて、午前4時ごろが「体温の谷」の目安になります。

これはあくまで出発点ですが
「自分のリズムの基準がだいたいこのへんにある」と知っておけば
知らず識らずの間にサイクルがズレている事に気づけます。

数字に追われず、数字と対話する

こうやって自分のリズムを知ろうとすると
つい数字に一喜一憂しがちです。

でも
大事なのは数字に追われることじゃなくて
数字と対話すること。

「最近、谷が後ろにずれてきたな。夜更かしが続いてるからかな」
「旅行のあと、3日で戻ったな。意外と早いな」

こんなふうに
自分の身体の状態を読み取る手がかりとして使う。

それが
いちばん健康的な付き合い方だと思います。

僕の周りを見ていても
思っていた以上に
生活リズムがずれている人が多いんですよね。

夏休み明けは、特にそうです。

自分の身体の時計が
今どこを指しているのか。

まずはそこを知ることから始めてみてください。


さて、ここまではずっと
「光」を中心に
体内時計の話をしてきました。

朝日を浴びる、夜は暗くする
たしかに光は、体内時計を動かすいちばん大きなスイッチです。

でも実は
体内時計を動かすスイッチは
光だけじゃないんです。

もう一つ
とても強力なスイッチがあります。

それが食事の時刻。

しかも面白いことに
光が動かすのは「脳の時計」なのに対して
食事が動かすのは「内臓の時計」

と、担当が分かれているんです。

次回は
その「食べる時刻と体内時計」の話をしていきますね。

ってことで今回はこの辺で
では、また。


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