前回は中性脂肪の話をしましたが
今回は『コレステロールはどうなの?』
というご質問をいただいたので
コレステロールについてお話していきます。
前回お伝えした通り
中性脂肪は『余ったエネルギーの貯蔵庫』です。
つまり
中性脂肪が多ければ多いほど
『しばらく食べなくても生きていける身体』
ということ。
今はお米の供給不安なども話題になっていますが
中性脂肪がある程度ある人は
食糧危機への耐性もあるとも言えます。
とはいえ中性脂肪が多すぎると
有害物質がたまりやすくなったり
慢性的な炎症が起こりやすくなったりと
やはり“多すぎ”は問題です。
コレステロールは何してる?
さて、同じ脂質仲間でも
コレステロールはエネルギーにはなりません。
では、コレステロールの役割って何なのでしょう?
結論から言うと
『体の材料』になるとても重要な物質なんです。
具体的には
コレステロールを原料として次のようなホルモンが作られます
・コルチゾール(抗炎症ホルモン)
・アルドステロン(血圧調整)
・エストロゲン、プロゲステロン(女性ホルモン)
・テストステロン(男性ホルモン)
たとえば
思春期の女の子が運動部などで体脂肪率が10%程度まで落ちてしまうと
生理が止まってしまうことがあります。
これは、体内のコレステロールが足りなくなって性ホルモンが作れなくなるからなんです。
無理なダイエットで生理が乱れるのも
同じ仕組みで起きている場合がありますよ。
まだまだ他にもある役割
コレステロールの役割はホルモンだけではありません。
・ビタミンDの材料
・胆汁酸(脂肪の消化に必要)の材料
としても働いています。
特にビタミンDは
免疫に関係する非常に重要なホルモンで
不足すると風邪や花粉症、自己免疫疾患などのトラブルにつながります。
また、胆汁酸が作れないと
脂溶性ビタミン(A・D・Eなど)が吸収されず、栄養不足にもなりかねません。
つまり
『コレステロールが高い=悪い』という単純な話ではなく
むしろ“低い”方が問題になることも多いということなんです。
コレステロールの作られ方
では、このコレステロールはどうやって作られるのか?
答えは。。。
炭水化物や脂質をエネルギーに変える過程でできる
『アセチルCoA』という物質から合成されます。
ただ。。。
この合成過程にはとても多くのエネルギーが必要なんです。
つまり
・中性脂肪はどんどん作られてるのに
・コレステロールは低い
という場合は
『エネルギー不足でコレステロール合成まで手が回っていない』
可能性もあります。
エネルギーを作るにも
ただ食べればいいというわけではありません。
体の中では食べたものをエネルギーやホルモンに変えるために
たくさんの化学反応と栄養素が必要になります。
なので、「栄養は足りているはず」と思っていても
実際には必要な変換ができていないこともあるんです。
血液検査を見ると
いろんな事がわかって面白いですよ!
高いより低い方が問題
コレステロールが足りないと
・ホルモンが作れない
・細胞膜が作れない
・栄養も吸収できない
などなど、“生きていくための基盤”が崩れてしまいます。
だからこそ
コレステロールが悪者扱いされている現代の風潮は
ちょっと見直した方がいいかもしれませんね。
ちなみに、コレステロールが高い場合は…
・ホルモンの需要が高くてたくさん作っている
・ホルモンに変換する過程でつまずいている
・胆汁酸としての排泄がうまくいっていない
などの可能性があります。
単純に「下げる」ではなく
『なぜ高いのか?』を読み解けるといいですね!
身体の仕組みを知っていくと
自分の不調が読み解けるようになります。
そうすると、もっと生きやすくなるはずです。
ぜひ、自分の身体に興味を持って、一緒に勉強していきましょう!
それでは今日はこの辺で。
また次回!
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